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ある部屋のひと [想うこと]

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DeAGOSTINIの創刊号ばかり転がっている部屋の中で
僕はお菓子の匂いのする消しゴムを嗅がされている

「都会の自然なんか所詮、
焼き肉弁当に付いてるパセリみたいなもんだよ。」

そう言いながら君はサクマドロップを逆さにして
底にへばりついた飴を取るのに必死だ。

そして出てきたハッカ味の白いあめ玉に落胆し
無造作に口へ放りむんだ。

あつらえた言葉は何も産まない。


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